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2012年01月23日

沖縄少年会館

さった21日の土曜日に沖縄県美術博物館2F講堂で
沖縄少年会館保存活用のシンポジウムが行われました。

沖縄少年会館という建物は那覇市の久茂地に建つ建物で
1966年に後に琉球主席(現在の知事にあたる)になられる屋良朝苗先生が復帰前の劣悪な環境におかれた子供たちのために、教職員が中心となって「沖縄子供を守る会」をつくり、沖縄の子供たちに夢を与えようと県内や本土から寄付を集めて建てた建物です。

沖縄の子供たちを貧困から守る拠点としての建物を保存して活用しようという内容のシンポジウムでした。
正直、参加する前までは沖縄の子供たちを貧困から救うことと建物を保存することにどういう関係性があるのかと思って参加しましたが、
この会が発足して現在までの活動の経緯や、元沖縄県中央児童相談所所長の山内優子先生から「沖縄の子供たちを取り巻く劣悪な環境は戦後から現在ももずっと続いている。屋良先生の理念が叶えられるまで建物を取り壊すべきではない」というお話しや

建築ジャーナリストの磯達雄さんの「建物を残すと同時に理念を残すという、他では見られない例」というお話しや

県内設計事務所、チームドリームの福村俊治さんの「私たちは子供たち、子孫に何を残せるのか。残すことによって何を伝えることができるのか」

3時間余りのシンポジウムを聞いて、私の持っていた疑問「沖縄の子供たちを貧困から救うことと建物を保存することにどういう関係性があるのか」が解決したのと同時に、この建物を残す意味が大変よくわかりましたし、残して活用するべきだと強く感じました。

正直我々建物を設計する者たちにも建物を造る意味や理念をあらためて考えるとても貴重な時間になりました。
アーキプログレス沖縄少年会館



Posted by ARCHIPROGRESSアーキプログレス at 11:58│Comments(0)
 
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